7.262016
七福神たちの会話 ~幸せになるためのヒント~
毘沙門天:貧乏神が福の神やないやなんて、どうして言えるんでっか?
ここにいる布袋さんは、福の神でっしゃろ?
布袋さん、あんさんは金持ちですか?
布袋: とんでもない。私は貧乏人ですよ。
私のモデルになった人は禅僧で、清貧そのものでした。
財産といったら、この袋の中にある日用品だけ。これ以外、何もありません。
私は文字通りホームレスです。
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弁財天: うちは出身はインドですけど、もともと学芸の神様やってん。
そやからベンザイ天の“サイ”は、才能の“才”やってん。
それが日本に来たら、いつのまにかうちのこと、「弁財天」にしてしまうんや。
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福禄寿: わたしは三頭身、いや二頭身かも。一種の奇形です。
毘沙門天:その奇形がええのんと違いますか!?
今の日本では差別の問題とかからんでややこしいけれども、
日本人はハンディキャップのある人を「福の神」と呼んで大事にしてきたんでっせ。
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寿老人: 本当の幸福とは老いることなんです。
年を取って、よぼよぼになる。それが幸せなんです。
ところが日本人、老いたくないと思ってる。
よぼよぼのボケ老人になるのは嫌だと思っている。
そうすると長寿がマイナス価値になります。
それじゃあ、長寿であるがゆえに不幸になりますよ。
福禄寿: どうもいまの日本人は、「老いる」ことを「ポンコツ」になることだと錯覚しているようです。
だから老いたくない。そのくせ長生きしたいと思っています。
ついでに言っておきますと、日本人は、「死ぬ」ことを「殺される」ことだと錯覚しています。
それで死にたくない、死にたくないと思うのです。
それから「病む」ことを「故障」することだと思っています。
だから病気になると修繕を考えます。
つまり現在の日本人には、ごくごく自然な、
老・病・死
がなくて、あるのは、
ポンコツ・故障・殺
ばかり。だから幸福になれないのです。
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弁財天: 今の日本人は、自分の持っているものをマイナスで見てるんやわ。それやから幸せになられへんの。
例えば900万円持ってるとするわね。
900万円もあればすごい金持ちやのに、「あと100万円あれば、一千万円だ。あと100万円欲しい」って思うでしょ。
するとその人の持ってる財産は、「マイナス100万円」になってしまう。
猩々: 子どもが算数の試験で94点とりました。いい成績です。
でもお母さんは、
「この次は100点目指してがんばりなさい。」と言います。
お母さんはその成績を「マイナス6点」とみているんですね。
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先ほど紹介した、「ウサギとカメ」の話が載ってた、
ひろさちやさんの「昔話にはウラがある」(新潮社)って本から、
七福神たちの会話を抜粋してみました。
一つひとつの言葉に、なんかドキッ!、ハッ!としました(^O^)
僕の中にも、
まだまだたっぷり、
“足りない感”
あるなぁ。
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