七福神たちの会話 ~幸せになるためのヒント~

sitifuku
 

毘沙門天:貧乏神が福の神やないやなんて、どうして言えるんでっか?

ここにいる布袋さんは、福の神でっしゃろ?

布袋さん、あんさんは金持ちですか?

 

布袋:  とんでもない。私は貧乏人ですよ。

私のモデルになった人は禅僧で、清貧そのものでした。

財産といったら、この袋の中にある日用品だけ。これ以外、何もありません。

私は文字通りホームレスです。
 

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弁財天: うちは出身はインドですけど、もともと学芸の神様やってん。

そやからベンザイ天の“サイ”は、才能の“才”やってん。

それが日本に来たら、いつのまにかうちのこと、「弁財天」にしてしまうんや。

 

****

 
 
福禄寿: わたしは三頭身、いや二頭身かも。一種の奇形です。

毘沙門天:その奇形がええのんと違いますか!?

今の日本では差別の問題とかからんでややこしいけれども、

日本人はハンディキャップのある人を「福の神」と呼んで大事にしてきたんでっせ。
 

****

 
寿老人: 本当の幸福とは老いることなんです。

年を取って、よぼよぼになる。それが幸せなんです。

ところが日本人、老いたくないと思ってる。

よぼよぼのボケ老人になるのは嫌だと思っている。

そうすると長寿がマイナス価値になります。

それじゃあ、長寿であるがゆえに不幸になりますよ。

 
福禄寿: どうもいまの日本人は、「老いる」ことを「ポンコツ」になることだと錯覚しているようです。

だから老いたくない。そのくせ長生きしたいと思っています。

 

ついでに言っておきますと、日本人は、「死ぬ」ことを「殺される」ことだと錯覚しています。

それで死にたくない、死にたくないと思うのです。

 

それから「病む」ことを「故障」することだと思っています。

だから病気になると修繕を考えます。
 

つまり現在の日本人には、ごくごく自然な、
 
老・病・死
 
がなくて、あるのは、
 
ポンコツ・故障・殺
 
ばかり。だから幸福になれないのです。
 

****
 

弁財天: 今の日本人は、自分の持っているものをマイナスで見てるんやわ。それやから幸せになられへんの。

例えば900万円持ってるとするわね。

900万円もあればすごい金持ちやのに、「あと100万円あれば、一千万円だ。あと100万円欲しい」って思うでしょ。

するとその人の持ってる財産は、「マイナス100万円」になってしまう。
 

猩々:  子どもが算数の試験で94点とりました。いい成績です。

でもお母さんは、
「この次は100点目指してがんばりなさい。」と言います。

お母さんはその成績を「マイナス6点」とみているんですね。
 

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先ほど紹介した、「ウサギとカメ」の話が載ってた、
ひろさちやさんの「昔話にはウラがある」(新潮社)って本から、
七福神たちの会話を抜粋してみました。
 

一つひとつの言葉に、なんかドキッ!、ハッ!としました(^O^)
 
僕の中にも、
まだまだたっぷり、
 
“足りない感”
 
あるなぁ。
 

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